BBAsについて
運動や学習を行うための
“動きやすい身体”づくり
ストレッチやタッピング、ビジョントレーニングなど、2人組で実践する8種類の運動で、ヨガやピラティスのような、ゆっくりとした動きで構成されています。本人の課題や目標に応じて、2〜3種類の動きを組み合わせて継続実施することで、発達を促進し学習効果を高めます。
BBAsのねらい
BBAsの運動の効果は、心肺機能の向上や筋肉の強化だけではありません。感情安定を司る大脳辺縁系、危険を察知して反射的に行動する脳幹、動きのコントロールをする小脳、学習意欲や認知を高める大脳新皮質など、脳の機能を向上させます。
五感の活性化
視覚、聴覚、触覚など、運動により複数の感覚を同時に活性化することができ、本人が運動の前後で変化を感じやすいことが特徴です。感覚を刺激する遊びなどを多く取り入れ、より深く楽しい学習体験ができるため、無理なく五感の活性化を促すことが可能です。
社会的スキルの発達
個人にも集団にも実施できるため、保育の場でグループ活動やペアワークなどでも活用しやすく、社会性を育みます。運動を通じて、自己表現や自己肯定感の向上が期待できる為、人や物との繋がりが深まり、コミュニケーションが活発になります。
集中力と注意力向上
心地よく身体を伸ばすストレッチを取り入れることで、呼吸も深くなり、副交感神経が優位になる為、子どもたちの集中力や注意力を向上させるサポートとなります。
記憶力の強化
身体を使った楽しい学習を実践することで、情報処理能力は高まり、記憶に定着しやすくなります。
幼馴染の名前を30年経った今でも憶えている、これも楽しく過ごした時間が記憶を強化していることにつながります。
ストレスの軽減
運動はストレスを軽減し、リラックス効果をもたらします。汗をかくような運動ではなく、「リラックスの中にある集中できる時間」を積極的につくることで、副交感神経が優位にはたらきます。
反射的な動きから、意識的な動きになるため、緊張や不安感から自然と解放されます。
心肺機能の向上
心拍数が少し上がる程度の運動を取り入れることで、血液循環やリンパの流れがスムーズになります。
呼吸を深くする、筋肉の柔軟性を高める、持久力をつける、などを目標にして、週に3回程度、2キロ程度の散歩することが理想です。お友達や家族と気軽におしゃべりしながら歩く習慣をつけましょう。
身体能力の向上
軽い運動を行うことで、バランス感覚や協調性、持久力が向上します。
自分の身体を意識的に動かすことができる、コーディネーション能力が整うと、脳の活性化が促され、緊張緩和が得られるため、パフォーマンスが向上します。
BBAsのはじまり
教育学修士であり長年にわたり公立小学校の特別支援教育に従事してこられた、セシリア・ケスター女史により創始された、発達の土台をつくるためのシンプルな運動が、ビルディング・ブロック・アクティビティ(Building Block Activity)です。この頭文字をとり、略称として「BBAs」と呼ばれ、日本国内では親しまれています。
BBAsの動きや発達段階にそった運動提案は、2014年9月にセシリア・セスター氏が初来日した際に、「ブレインジム170公式コース」の中で紹介されました。
一人で運動を実施することが困難な子どもたちへのサポートとして、また親子のスキンシップ体操の一助として、発達支援に活用しやすいエクササイズとして紹介され、日本国内では放課後等デイサービス事業所などで活用され、教員や保育士、理学療法士や作業療法士の間で広がりを見せています。
現在、創始者及び本協会代表理事の今道久惠・ますながまさみ、により認定資格を授与された約100名のインストラクターが日本国内で活動しており、教育現場だけでなく福祉や心理などの支援職に就く人々の間でも活用されています。
日本ムーブメント・ベース・ラーニング協会(MBL協会)では、発達のゆっくりなお子さまや、特別支援・学習支援など配慮を必要とする人たちへの、身体的な基盤をつくる軽運動として、心身に負担が少なく年齢や性別に関係なく実践できる「BBAs」を推奨しています。
お住いの近くにもMBL(BBAs)インストラクターがいることでしょう。
登録インストラクター紹介ページより、ご自身の今後の活動や用途にあったメンバーへ連絡をとり、この楽しい学びをスタートさせて頂ければと思います。
BBAsを必要としている人(子ども)たちへ
発達に凸凹のある子どもたちは、協調運動や眼球運動、微細運動に困難さが見られることがあります。
子ども達が多くの時間を過ごす家庭や教育現場においてBBAsを実践できることで、学習支援や発達支援の一助として利用でき、身体の柔軟性や感覚過敏の緩和など、困難さの軽減を期待できます。
BBAsでは、マッサージやタッピングなど誰もが数分で出来る受動的な新しいアプローチを用いて、発達を促し身体の使い方のパターンを体得することを目的としており、大きくわけて8種類の動きから構成されています。
どれもシンプルな動きで、身体的気づきを得やすいことが特徴であるため、家庭のみならず、保育園や幼稚園などで活用され、乳児院や児童養護施設などの福祉施設でも活用が始まっています。
加えて、日本国内では放課後等デイサービスにおける療育活動の一助としても活用が始まり、心と身体に負担の少ない優しい運動であるとの感想を頂戴しています。
また、その対象は、子どもだけでなく、ご高齢のかたや四肢に麻痺のあるかたにも負担なく実践して頂ける安全なメソッドであるため、筋力の弱いかたに向いた、アイソメトリック運動などがあることも特色です。
「支援の必要な人のためのエクササイズ」ともいわれ、神経発達症(自閉症・注意欠如多動性障害・学習障害)、脳性麻痺、視聴覚障がいなどを抱えるかたへの応用的活用も可能です。
本人の希望する強度や時間で軽運動を提供しながら、「感覚刺激→衝動性の抑制→コミュケーション能力の向上」を目指す教育的なプログラムです。
運動のパターンを繰り返し実践することで、発達段階でとばしてきてしまった動きを追体験することができます。
それにより、コアの筋肉と四肢の繋がりを強化し、協調性を育むことをサポートします。
BBAsは、8時間の公式コースの他、教育相談や運動による発達支援にも応用されています。
各種講座は、対面での提供に加えて、オンラインで提供する準備も整っています。
遠方の方や、小さなお子さまのいらっしゃる保護者さまには、ぜひオンラインにて学びを深めて頂き、ご家庭で職場でご活用頂きたく思います。
BBAsの特徴
動きと脳機能を捉える
”3次元”的視点
”3次元”とは?
フォーカス次元
- 脳幹と大脳新皮質の統合、前と後ろの協調
- 注意力と理解力を促進
- 脊椎を起点にする動きのパターンの神経系や姿勢の正しさ
- 空間での位置把握、言語を表現する技能(話す、書く、サインするなど)
- 参加するか、参加しないかを選ぶ能力の発達
センタリング次元
- 中脳と大脳皮質の統合、上半身と下半身の協調
- ホモロゴスな動きに由来する上下の運動パターンを協調
- 場所、物体、他人と自分との関係を体系化し、安定さ
- 自身をグランディングする能力の発達
- 脳と身体の縦方向の統合
- 落ち着きと自身をセンタリングすることの助け自意識、組織化する力
ラテラリティ次元
- 左右の脳半球の統合、身体の両側の協調
- フォーカス次元とセンタリング次元に源を持つ基盤となる能力の上に成り立つ微細運動と全身の動き、両眼視、両耳聴、抽象思考などに極めて重要な動きとコミュニケーションスキルを発達
MBLを学びたい方へ
日本MBL協会ではMBLを学べる講座を開催しています。詳しくは下記ページをご覧ください。