講座概要
2024年9月11日、産業医科大学病院認知症センター様主催で
“脳も体も生涯現役でいるために”
をキャッチフレーズに市民公開講座が開催されました。
協会代表理事の今道久惠(いまみちひさえ)は、2人目の演者(講師)として登壇しました。
テーマは、
“体感!心身を健やかに保つセルフケアエクササイズ”
です。
「楽しく実践できる」「継続していける」セルフケアの運動を紹介しました
今回は、高齢者の方々を中心に、運動と健康に関心のある方々が140人以上も集まりました。
会場は、学会も開催されるほどの本格的なところで、格式の高い場所です。
1人目の演者(講師)は、同センターの池ノ内先生で
テーマは、
“運動で維持する認知機能と心の健康”
でした。
今回の講座案内を以下に紹介します。
講座の要点
◎運動で五感を活性化しましょう
運動することで・・・
- 筋力・体力の維持、向上が期待できる
- 平衡感覚が養われて転倒予防になる
- 精神的な健康、心の健康につながる
- 心肺機能の維持、向上に役立つ
- 社会との交流になる
など、様々なメリットがあります。
そこで、会場の皆さんと一緒に、
をご紹介しました。
それは、
講師が1、2、3、・・・10と言う声に合わせて、参加者の方が両手で1~10までの数字を空中に描くものです。
右手と左手で描く数字は、鏡文字にするのですが、思わず同じになってしまう方もいらっしゃいます。
どうぞ皆さんもご自分で声に出しながらやってみてください。
この両手お絵描きは、
- 右手を使うことで左脳が刺激される
- 左手を使うことで右脳が刺激される(イメージ・直感・空間認知)
- 脳からの神経伝達がスムーズになる
ことが期待できます。
ですので、例えば、発達に遅れのあるお子様がクレヨンを両手に持ってお絵描きをする、というのもイイですね。
◎脳の活性化を促すブレインジム
ブレインジムは、
- 目の運動・耳の運動・指先の運動などの26種類の協調運動
- 本を読む・文字を書くことなどをサポート
- アメリカで生まれたプログラム
今回は、ブレインジムの中でも基本である「PACE」という4種類の運動を紹介しました。
「PACE」は、それぞれ次の言葉の先頭文字をとったもので、準備体操としても行われます。
- 「P」:ポジティブ(Positive)
- 「A」:アクティブ(Active)
- 「C」:クリア(Clear)
- 「E」:エネルギッシュ(Energetic)
最初に、和気あいあいとした雰囲気の中、
を一つずつ池ノ内先生に行っていただきました。
行う前と行った後とでどのような変化があったかは、公開動画(この記事の下方)の中で分かりやすく紹介していますので、どうぞご覧ください。
なお、ブレインジムの運動は、立ち姿勢だけでなく座りながら行ってもよいですし、動きがキツイと思う方は無理せずできる範囲で行って頂くようお願いしております。
ちなみに、「P」の動きはフックアップと呼ばれる運動ですが、この運動はうつ病のケアのために臨床で効果的だという事例を、色々な精神科の先生が出しております。
◎感情に働きかける運動「ビルディング・ブロック・アクティビティ(BBAs)」
BBAsは、積み木を積み上げるように運動がプログラムされたものです。
- 転倒予防
- 姿勢保持
- 記憶力向上
などに活かせる運動です。
今回は、BBAsの運動を紹介する前に、会場の皆さんと
を行いました。
手だけで行う普通のじゃんけんとは違って、手足の大きな動きをしながら、表情ある口の形を作るので、皆さんにとっては頭も身体も使う楽しい運動になりました。
じゃんけんの後は、BBAsの運動から一つ、
を特別に実演しながら紹介しました。
私たちの顔には、三叉神経が
- おでこ
- 目の下
- あご
にありますが、頭蓋骨タッピングは、三叉神経に沿うようにして、2本の指で交互にトントントンと優しくタッピングしていく運動です。
スタートはこめかみ(X)のタッピングです。
そこから、おでこの真ん中(1)の方へタッピングしながら移動します。
そして、こめかみ(X)の方へタッピングしながら戻ります。
次に頭頂部(2)の方へタッピングしながら移動します。
このように、リズミカルに耳の後ろ(7)までタッピングしてこめかみ(X)に戻ったら、耳(8)のマッサージをして終了です。
具体的な方法は、公開動画(YouTube)をご覧になりながら、ご一緒にしてみてください。
ちなみに、1箇所だけでもそれぞれ役に立つ運動なのです。
例えば、耳(8)のマッサージだけでも
- 首や肩を柔らかくする
- 血流を良くする
- 聞こえを良くする
などに役立ちます。
参加者の声
参加者の大部分の方から100件を超える感想をいただき、感謝しております。
それから一部を紹介させていただきます。
- 運動によって体力だけでなく認知機能が向上することは、とても勉強になりました。
- 簡単でありながらとても有効な運動でとてもすてきでした。
- とてもわかりやすかったです。明日から毎日心がけて運動しながら生活しようと思います。
- とても興味ある内容でした。運動を楽しんで取り組んでいきたいと思います。
- 認知症に対する対応のしかた、今後の生活に生かせると思います。
公開動画(YouTube)
産業医科大学様の「産業医大オフィシャルチャンネル」で公開された動画を紹介します。
実際のエクササイズを楽しく分かりやすく紹介しております。
どうぞ、会場の皆さんと一緒に参加している気分で、身体を動かしながらご覧いただけると嬉しいです。
今後の公開講座「MBLフェスティバル」(11/30土@博多)
日本MBL協会主催で、どなたでも参加できる公開講座を開催します。
今回紹介した「ビルディングブロック・アクティビティ(BBAs)」を対面にて体験し、楽しみながら学べます。
発達の土台をつくる運動療育の体験・事例や学習支援について、
- 協会理事の分かりやすい解説
- 経験豊富なインストラクターによる実践例
によって、0歳から小学生までをカバーしている内容になっておりますので、
- 放課後等デイサービス
- 特別支援教育
- 保育園・幼稚園
に関わる方にお勧めです。
詳細やお申込は以下からどうぞ。
今後の公開講座「特別支援教育に活用するブレインジムBG170」(12/7~オンライン)
有限会社ジニアスラブ主催(講師は今道久惠)で、どなたでも参加できる公開講座を開催します。
発達や学習がゆっくりな子どもたちに活用しやすい、26種類の「ブレインジムエクササイズ」と発達段階にそった受動的な8種類の動き「ビルディングブロック・アクティビティ(BBAs)」を用いて、運動養育の教育的手法を学ぶ32時間の公式コースです。
今回の市民公開講座の内容をより体系的にワークショップ形式で学べるので、特別支援や学習支援の現場で活用しやすく
- 支援者様
- 教育者様
などの方にお勧めです。
週末(土日)にオンラインで開催します。
詳細やお申込は以下からどうぞ。